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*** 麻酔薬が赤ちゃんに与える影響 ***

 

無痛分娩中の麻酔薬は赤ちゃんに悪影響を及ぼさないのでしょうか?

 

結論としては、通常臨床で使用される量であれば赤ちゃんに与える影響は、問題ないレベル、或いは一時的なものとされています。

 

麻酔薬の影響は、大きく背中からの麻酔(区域麻酔)か全身麻酔かによって変わってきます。

 

背中からの麻酔(区域麻酔)の場合、薬は背中の硬膜外腔または脊髄くも膜下腔に入り、そこからゆっくりと周囲の組織や血管から吸収されて体の循環に薬が移行します。

そのため赤ちゃんに薬が循環を介して直接与える影響は、微々たるものです。

 

これに対して全身麻酔の場合、薬は点滴のルートから静脈に入って全身を巡ります。

それらは胎盤を介して赤ちゃんの体にも循環します。

ですので、背中からの麻酔(区域麻酔)に比べると、赤ちゃんへの薬の影響は大きくなります。

 

無痛分娩から緊急帝王切開で全身麻酔が必要になった場合(*** 無痛分娩から緊急帝王切開:そんな時どうする? ***参照)、お母さんは点滴から眠る薬が入って、意識がない状態になります。

そうなると、出てきた赤ちゃんも眠った状態で出てくることになります。

眠った状態の赤ちゃんのことをfloppy childと言います。

このような場合は新生児科の先生が必要な処置を行い、赤ちゃんが目を覚まして呼吸が安定するまで、呼吸のサポートをします。

このように全身麻酔の薬で赤ちゃんが眠るのは一時的なもので、長期的な影響は出ないと考えられています。

 

麻酔薬が赤ちゃんに与える直接の影響についてお話しました。

 

 

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