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『 無痛分娩で吸引・鉗子分娩が増える? 』  麻酔科医情報サイト

 

*** 無痛分娩で吸引・鉗子分娩が増える? ***

 

 

無痛分娩によって、吸引分娩と鉗子分娩は増加しません。

 

まず吸引分娩と鉗子分娩とは何かについて、説明しましょう。
吸引分娩や鉗子分娩は、急速遂娩と呼ばれる分娩の手技です。

 

この手技は、お母さんの子宮口が全開大となった後に、お母さんと赤ちゃんのどちらかに異常が生じたため、急いで赤ちゃんを出さなければならなくなった時、吸引器や鉗子という道具を使って赤ちゃんを引っ張りだすものです。

 

いずれも引っ張り出す物理的な刺激で、赤ちゃんの頭が傷ついたり、お母さんの膣や会陰が傷ついてしまうリスクがあります。

 

この吸引分娩・鉗子分娩の頻度が、無痛分娩を行うことによって増加すると、実は長年の間言われてきましたし、今もそう考えている医療者はいます。

 

ところがこの結果は、ここ最近の研究結果で、覆されてきています。

(*OvidInsights beta より引用)

 

こちらのアメリカの大規模研究によりますと、低濃度の局所麻酔薬を用いて管理すれば、吸引・鉗子分娩の頻度は増えないという結果がでました。

 

痛みをしっかり取った上で、吸引分娩と鉗子分娩の頻度が上がらないのであれば、これは素晴らしい事実ですね。

 

この結果は、追試研究(より確かな確固としたエビデンスを得るために、グループや研究のデザインを変えて同じ結果がでるかを確かめる研究)によって今後も検証されていくでしょう。

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