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『 無痛にすると分娩時間が長くなる? 』 麻酔科医情報サイト

*** 無痛にすると分娩時間が長くなる?  ***

 

無痛分娩において、適切な濃度・量の麻酔薬を使えば、分娩の時間は延長しません。

 

無痛分娩にすると分娩時間が長くなるという考えが、医療界でも長年されてきましたが、これについて、最近見解が変わってきています。

 

2017年に発表されたアメリカの大規模研究によりますと、

(*OvidInsights beta より引用)

分娩の第二期(子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが外に出てくるまでの時間)は延長しないという結果が出ています。

 

論文に書かれているような低濃度の麻酔薬(実際には0.05%前後のロピバカイン)を使えば、分娩の時間が延びることはないのです。

 

つまり、麻酔で陣痛を取り除きながらも、いきむ力(子宮収縮力)を維持させることができ、赤ちゃんが出てくる時間を遅らせないということです。

 

 

 

こちらの研究からも、無痛分娩で分娩の二期は延長しないという結果が出ています。

(*OvidInsights beta より引用)

 

この論文は、子宮口が完全に開いた後に無作為に、局所麻酔薬を入れる群と生食を入れる群に分けて、分娩時間に差があるかを調べた研究です。

 

 

結果として2つのグループ間で、分娩時間に有意差はありませんでした。

 

これまで、麻酔によって分娩時間が延長すると考えられた産科医によって、分娩2期に薬が止められるというケースがあったわけですが、

 

そうしてもお母さんの痛みを強くするだけで、分娩時間には何ら変化をもたらしていなかったというわけです。

 

 

分娩2期は,陣痛の痛みが最も強くなるつらい時期です。

この時期に、適切な麻酔を使ってしっかりと痛みをとることで、お母さんの満足度も高まるのです。

 

 

これらの研究結果は、追試研究(一つの試験が正しいことを、別のグループや方法で確かめる研究)で、今後も議論されていくでしょう。

 

無痛分娩に対するプラスの見解を強める報告でした。

 

 

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