*** 計画分娩ってなんだろう? その2 ***
この章では計画分娩の流れについてご紹介します。
計画分娩は、大きく「頚管熟化」と「分娩誘発」の段階を経て行われます。
頚管熟化
まず前日の夕方から、頚管熟化処置というものを行います。
(***計画分娩ってなんだろう?その1***)でもお話ししましたが、頚管熟化とは子宮を柔らかくして、赤ちゃんが出やすくする環境をつくることです。
頚管熟化するには大きく2つの方法があります。
①メトロイリンテル
メトロイリンテル、通称メトロを使って子宮の入り口を広げる方法です。
下図のような風船状の器具を使って、徐々に子宮の入口を膨らませていきます。
(村中医療器HPより)
②頸管拡張剤ラミナリア
こちらも子宮の入り口を広げる器具です。
子宮の入り口に入れると、徐々に周りの水分を吸収して膨張していきます。
素材にはなんと、海藻の昆布が使われています。
(村中医療器HPより)
個人差はありますが、人によっては挿入すること自体でかなりの痛みを感じるようです。物理的に組織を広げてくるわけなので、痛そうなのは想像がつきます。
分娩誘発
次に当日朝より、分娩誘発を行います。
誘発分娩にはオキシトシン、またはプロスタグランジンという子宮収縮剤を使います。オキシトシンは帝王切開の麻酔で、赤ちゃんが出た後の子宮収縮を促す薬としても一般に使われています。(***無痛分娩に使用されるお薬 ***参照)
プロスタグランディン製剤の膣錠については、欧米では普段から臨床で使用されていますが、日本では臨床治験中の段階です。
誘発分娩を始めると、子宮収縮によって痛みが強くなってくるので、お母さん本人と産科医・麻酔科医・助産師が相談した上で、硬膜外麻酔による無痛分娩のタイミングを決めます。
いかがでしたでしょうか?
この章では、計画分娩の手順である「頚管熟化」と「分娩誘発」に焦点を当ててお話ししました。