*** 宗教と無痛分娩 ***
この章では宗教と無痛分娩についてお話します。
宗教を語る上で旧約聖書はもっとも有名なものの一つですが、
実は旧約聖書の中でも、女性の陣痛について言及されています。
女に対しては産みの苦しみと夫からの支配を、アダムに対しては地から苦しんで食物を取ることと土にかえることを預言した(創世記3章16節 – 19節)。
ミケランジェロ「楽園追放」
アダムとイヴは、なんの不自由もなく楽園-エデンの園-で暮らしていましたが、蛇の誘惑に負けて知恵の木の実を食べました。
これに神様が怒って、アダムとイブを楽園から追放し、
アダムには労働の苦しみを、女性には陣痛の苦しみを与えたわけです。
なんと驚いたことに、聖書の中で
陣痛は神様が与えた原罪なんだから、女の人は痛いの我慢して生みなさいよと言っているのです。
しかし、宗派も沢山あるように、聖書の内容も解釈次第といったところでしょうか
キリスト教が全人口の7割以上を占めるアメリカで、無痛分娩は日本よりはるかに普及しています。
アメリカにおいて、宗教の信仰と無痛分娩は、共存できているのです。
21世紀の人類が無痛分娩という医療技術を手に入れるなどとは、紀元前の聖人らにも想像に及ばなかったことでしょう。
この章では宗教と無痛分娩についてお話しました。