*** 陣痛は移動する ***
陣痛は、分娩の進行とともに、その性状も強さも変わります。
陣痛が来ると、最初に感じるのが「内臓痛」というもので、子宮が収縮することによる内臓の痛みです。ちょうど生理の時に感じるようなものです。場所的には、お腹や腰のあたりが痛むはずです。
これに対して、子宮口が全開大した後に感じるのは「体性痛」といって、赤ちゃんが狭い産道を通過することによって、皮膚や筋肉が進展する痛みです。この時の痛みが最も強いといわれています。痛みの場所は赤ちゃんと共に下がってきてお尻のほうが痛くなってきます。
陣痛の発来と共に硬膜外麻酔を始めると、お薬が広がることによって、お腹や腰の痛みは、すっとよくなることが多いです。
分娩の進行によってお尻のほうに痛みが移動してきたとき、さらにお薬を広げることで痛みを改善しようとしますが、お尻のほうはお薬が届きにくいことと、そして痛みの性状もより強いことから、分娩の最後のほうは痛みを感じてしまうことがあります。ただそれでも、無痛分娩をしない場合よりはずっと楽なはずです。
無痛をこれからやろうとするお母さんは、最後のほうはもしかしたら痛みを感じるかもしれないな、ということを頭に留めていただけると幸いです。
陣痛についてのお話でした。