*** 無痛分娩って自然じゃない? ***
無痛分娩と自然分娩はよく対比して語られることがあります。
無痛分娩は「出産の痛みを医療の介入で改善する分娩」
自然分娩は「医療処置をしない経膣分娩」を指します。
それでは、無痛分娩は自然じゃない分娩なのでしょうか?
自然分娩と無痛分娩
いずれであれ、妊娠・出産というものには、様々なリスクが生じます。
日本において出生数は2016年で98万人で、そのうちの新生児死亡の割合は1/1000という統計が出されています。
出典:平成29年度我が国の人口動態 厚生労働省 より
これは世界の中でも非常に低い値で、40年前の日本と比べてても約1/10の率になっています。
それこそ日本の産科医療と新生児医療の素晴らしさを物語っているのですが、それでも中には残念ながら命を落としてしまう赤ちゃんもいらっしゃいます。
無事に生まれてきても、それまでの過程でお母さんにリスクがあって厳重な管理が必要であったり、赤ちゃんの状態によっては緊急帝王切開が必要になる場合もあります。
そんなお母さんと赤ちゃんの命の安全を守るため
健診→出産→育児 と経過していく中で
現代の日本においては、通常様々な医療の介入を受けます。
医療の介入が全くない、自然なお産というものは基本的はないのです。
(未受診妊婦、かけこみ出産の増加といった問題もありますが、これについてはまた後章でお話ししたいと思います。)
無痛分娩と聞くと、ひどく人工的な印象をもたれる方もいらっしゃいますが、
無痛分娩も自然分娩も、医療のサポートの基盤があって成り立っています。
妊婦に対する医療的介入は様々なものがあって、無痛もその中の一つの手段であるということです。