*** 現場の医師の声 :麻酔科医側からみた無痛分娩の魅力 ***
ここでは麻酔科医という立場からみた、無痛分娩の魅力についてお話します。
無痛分娩自体の医学的なメリットは、他でお話しましたが(***痛みがなくなることの意味***)現場で管理する麻酔科医にとっても、無痛分娩は魅力的なものです。
普段の手術麻酔では、硬膜外麻酔をする場合も全身麻酔と併用のことがほとんどです。硬膜外麻酔の効果は、患者さんの訴えからではなく、他のバイタルやデータから判断することが多いです。
これに対して、無痛分娩は、お母さんが初めから最後まで、起きている状態で行うので、自分がしたことの結果が、正直に、よりはっきりとわかります。
無痛分娩で硬膜外麻酔の効果が現れ、陣痛の苦しみからお母さんが解放されると、本当に感謝されますし、達成感があります。
このような体験は、オペ室ではなかなか得られないものです。
また硬膜外麻酔が想像以上に繊細で、奥深い手技であることも実感させられます。
ほんの少しの差で、痛みが十分にとれないような状況に陥ることもあります。
産科領域に精通し、自身の麻酔技術を駆使することで、分娩の質の向上と安全に関わることができる。
そして新しい生命の誕生に立ち会うことができる。
それが、麻酔科医からみた無痛分娩の魅力なのではないかと思います。